『銀魂春祭り2010(仮)』
チケット抽選にまた外れてしまいました…。
この後まだ販売あるのかな?
もうチケット取れない気がしてきたよ。
お祭り騒ぎに乗っかりたいのに…!!
昨日は落選メールが届いてからしょんぼりしたまま、
また野良猫編完結の回を観まして、
猫銀時の話を思いつきました!
そんなわけで以下、突発SSです。
勢いだけで書いたので、もうフォローする言葉も見つかりません。
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「あー、ムダな体力消耗した」
とぼとぼと歩く癖毛の白猫−銀時が疲れきった声を漏らす。
ゴリラ・シムラ・ゲリラ作戦からはじまった餌確保はことごとく失敗し、
ただ余計に空腹感を招く結果になっただけだ。
「とにかく何か喰いてぇ。もうマヨネーズ以外なら何でもいい。甘いモンが喰いてぇー」
パフェとか、いちご大福とか、チョコレートとか。
甘味の名前を連呼し出した銀時を横目に桂が口を開く。
「猫が甘い物なんて食べるわけないだろーが。それなら俺は蕎麦が食べたい」
「麺をすする猫の方がいねーよ!」
思わずツッコミを入れたのは、もはや条件反射というやつだ。
叫んだらさらに疲労が増した気がした。
「ところで、ホウイチとゴリラはどこに行ったんだ?」
銀時は辺りを見回すが、彼らの姿はなかった。
どこぞのマヨラーを追い駆けてた時に散り散りになったようだ。
「さあな。しかし奴らがかぶき町を出ることもないだろうから、そのうち会えるだろ」
「本気でバナナ獲ってきてくんねーかな、あのゴリラ」
産地はどこでもいいからよぉ、と銀時はその場でごろりと横になる。
もう歩くのも疲れた。長い尻尾もだらりと投げ出した格好だ。
「銀時、何をしている。こんな往来で寝てたら、また町内会の人間たちに追い回されるぞ」
「や、腹へって顔上げるのも億劫なんだよ…」
力ない返事に桂も銀時の空腹が限界に来てることを知る。
(参ったな)
こうなった銀時は、何か食べ物(できれば甘い物)を与えないと梃子でも動かない。
しかし今、残念ながら己は何も持ってはいなかった。
(腹立たしいが、こんな時ちょうど良くいつも何か持ってるのが奴なんだ)
もう1人の幼馴染である人間の憎たらしい顔が思い浮かぶ。
甘い物は口にしないのに、銀時のために飴だの角砂糖だのを密かに懐に忍ばせていた奴だ。
今目の前にいれば、この状況を打破できる気がしなくもない。
(まさかそんな都合良くいくハズが…)
「ふぎゃ!」
突然、銀時が叫びを上げる。どうやら尻尾を踏まれたらしい。
いくら道の端とはいえ、絶えず人は行き交っている。踏まれるのも当然だ。
「ほら見ろ。だらしなく寝てるからだ」
わざとらしく溜め息をついてみせるが、銀時の反応はない。
呆けたまま、上を見上げている。
その視線の先には、尻尾を踏みつけた人間がいた。
編笠で顔を隠しているが、派手な柄の着物が誰であるかを雄弁に伝えている。
「高杉…!」
こちらの言葉は猫の鳴き声にしか聴こえないらしい高杉は、みゃあと鋭く鳴いた黒猫を見やり足元の白猫に独りごちる。
「猫ってのは、死に際を人に見せねーんじゃなかったのか」
何か惹かれるものがあったのか、高杉はその場にしゃがみ込み白猫の背を撫ではじめた。
びくりと慌てた銀時だったが、存外その仕草がやさしくて抵抗せずに高杉の好きにさせる。
「てめーも白いうえに癖毛とはな。なんだ、名前に『銀』とか付いたりするのか?」
にゃ、と白猫から肯定するような短い鳴き声が上がる。
答えなど期待していなかった高杉はククと笑い、機嫌よく続ける。
「どこも怪我してねぇようだし、ひょっとして腹へって行き倒れてただけか?おまえ」
ナーウ、と今度は甘えた鳴き声を上げる。
まるで人間の言葉を理解して、餌をくれと強請っているようだ。
「悪りぃが、俺りゃ甘いモンしか持ってねーぞ。それでもいいならくれてやるが…」
鼻先に干菓子の入った包みをちらつかせてやると、ぐったりと倒れていた白猫の身体がぴくっと反応し、目を輝かせてみゃあみゃあと騒ぎだした。
その姿は、高杉のよく知る誰かを思い出させる。
(おお!まさか本当に甘味を持っていたとは…ナイスだ、高杉!)
事の成り行きを見守っていた桂は、心の内でガッツポーズを作り安堵した。
「今回ばかりは礼を言っておくぞ」
さっきまで大人しくしていた黒猫までも忙しく鳴きだし、高杉は苦笑する。
「好きだけ喰え。こいつを胃におさめる奴が留守だったもんで、余ってんだ」
包みを開いて、色とりどりの干菓子を猫の食べやすいサイズに砕いてやる。
白猫は待ってましたと言わんばかりに喰らいついた。
黒猫の方は戸惑った様子でもそもそと食べはじめる。
そんな猫たちの様子をしばらく見ていた高杉が不意にぽつりと呟いた。
「あいつも野良猫と変わらねぇからな」
わざわざ会いに来てやったというのに、気ままな猫はどこをほっつき歩いているのか。
「次から鈴代わりに携帯でも渡しておくか」
高杉らしくない、どこか寂しさの募る声音だった。
去っていく背中を銀時は黙って見送った。
「ヅラぁ」
ひとまず腹は満たされたはずなのに、胃のあたりがやけに気持ち悪い。
「俺たち人間に戻れるよな?」
弱気な言葉は余計に不安を駆り立てるだとわかっているが、言わずにいられなかった。
「桂だ。決まってるだろう。元に戻ってどうして蕎麦を持ってなかったんだと
文句を言ってやらねばな」
ボンレスハムがありなら蕎麦だっていいはずだ、と桂が無理な主張をする。
銀時を気遣うわけでもなく本気で言ってるのだろう、この天然は。
「あーあ、早くパフェが喰いてぇー」
夕闇の迫る空に向かって、銀時はぼやいた。
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色々とネタを思いついてしまい、
色々と進んでません…。
3Z卒業式ネタはコンテ(ネーム)まで切って放置中。
トップページの差し替えイラストもラフを描いてそのまま。
それより何より早くおまけ漫画アップしろよ、という…。
(他にもいくつかやりたい話が頭の中をふよふよしてます)
明日のジャンプでまた突発ネタが降ってきそうで怖い。