思いつかないのはどうしようもないと諦めて、
先日やった【銀さんと高杉兄弟】の続きを妄想していたところへ唐突に閃いた。
待ってたよ。
縺れた糸がほどけていきそうな感じ。
これで一気に進めばいいのにね。原稿。
きっと作業中にあと3回は立ち止まる。(経験則)
【銀さんと高杉兄弟】について、さらに補足。
・最終的に銀さんは晋助とくっつく。
・高杉先生(兄)はお父さん的ポジションで見守ります。
ちなみに、前回の蛇足設定は11/3にあります。確かその日。
シリーズ化してやろうとか、そんな考えは現状では全くないんですけど…
ちょっとした小話できました。
(4コマにしようとしたら、情報量多くて無理だった)
ご覧になられる方は、下のボタンをクリックしてどうぞ。
【待ち伏せ】
「晋助」
まだ呼び慣れない名をぎこちなく口にする。
どうして他校に通う彼が、自分の学校の正門前に居るのか。
養護教諭の高杉(兄)から「悪目立ちするから来るな」と言われているはずなのに。
ちょうど今は下校時間だ。
学ランの集団の中、一人ブレザー姿の晋助は否応なく目立つ。
しかも、顔が兄と瓜二つだ。道行く女生徒たちが驚いてこちらを振り返る。
(今夜、こいつの家に行きたくないんだけど…。また壮絶な兄弟ゲンカに巻き込まれる)
数時間後に起こりうる出来事を想像して、そっと息を吐く。
「遅ぇよ、銀時。俺がココに居たら兄貴がうるせぇの、てめーだって知ってるだろーが」
開口一番、晋助は文句をつけてきた。
今夜は高杉宅で夕飯を食べる約束をしているが、待ち合わせなんて話は聞いていない。
そもそもその話自体、今日の昼休みに高杉から「どうだ?」と誘われOKしたのだ。
この兄弟がマメに連絡を取り合う仲だとは到底思えないのだが、すでに伝わっているのだろうか。
「や…来るなんて話聞いてないんだけど。俺に用?」
「他に誰がいるんだよ」
兄…に用があったとしてもわざわざ来ないだろう。何故だか不思議と確信できる。
「今日は俺が食事当番なんだよ。だから銀時、おまえも手伝え」
「???」
意味がわからない。
「これはアレだな。素直になれない不器用な弟を見兼ねて、兄が助け舟を出したんだな」
「さすが保健の先生だけあって、それなりに面倒見はいいんじゃのうー」
傍観していたヅラと辰馬が会話に入ってくる。
そうだった。こいつらと帰る途中だったんだ。
「銀時、誰だ」
紹介しろ、と鋭い隻眼が伝えてくる。
何をそんなに睨む必要があるのか。
「貴様が高杉(弟)だな。俺は桂だ。銀時とは幼馴染の間柄だから安心していいぞ」
何の安心?相変わらず電波な奴の言葉はよく分からない。
でも気のせいか、晋助の纏う空気が変わったように感じる。
「金時の友人の坂本ばいいますー。わしも敵にはならんぜよ」
むしろ協力するぜよ!と、こちらも意味不明な自己紹介。
それでも晋助には伝わっているようだ。悪い顔で笑ってる。
もしかして俺だけ蚊帳の外?
目の前の3人は早くも打ち解けあっていて、携帯のメアド交換をはじめてる。
情報提供するだとか、なんだか不穏な単語が聞こえるのは空耳だと思いたい。
出逢って早々、絶対何か企んでる。頼むから俺には関係ないことであってくれ。
「なぁ、おまえら…」
「迎えも来てることだし、貴様はこのまま高杉宅コースだな。夕食の材料を買うのなら、もうすぐタイムサービスの時間だ。早く行くといい」
疑問は問い質されることなく、ヅラの発言であっけなく打ち消された。
「そうさせてもらうぜ」
晋助が俺の腕を引っ張って歩き出す。
あれ?まだ手伝う、とか何も返事してないはず。もうすでに決定事項?
別にいいけど。
「メニューどうすんの?凝った料理はムリだかんな」
「………ハンバーグにしろ」
視線を逸らして、ぽつりと主張してくる。
晋助との付き合いはまだ短いが、だんだんと好みや性格なんかも掴めるようになってきた。
さっきヅラも言っていたが、意外にもお子様メニューが好きなこいつは決して素直じゃない。
そっぽ向いた顔は今、ちょっと照れているに違いないのだ。
「いいぜ」
その代わり、デザートにプリンを買ってもらおう。