--------------------------------------------------------------------------------------------





【眩暈】





いつものかぶき町だ。
何ら変わりのない。
それなのに。
道行く人たちの何気ない会話すら耳につき、すべてが煩わしい。
昼下がりのうだる暑さと湿った空気がまとわりつく。
たまらない。
特に用事があって出歩いてるわけではないのだ。
さっさと家へ帰ればいいのに、足は万事屋から遠ざかっていくばかり。
昨夜から神楽(と定春)は志村家へ世話になっていて、明日まで帰ってこない。
九兵衛の誘いでお妙と新八とともに、どこぞの避暑地へ遊びに出掛けている。
楽しい夏の思い出とささやかなお土産を引っ提げて騒々しく帰ってくるであろう我が家は、常のにぎやかさを忘れて今だけはひどく静まり返っていた。
それが訳もなくさみしい。
「(何なんだろうな……ったく)」
ざわざわと心が掻き乱される。





「おまえの方から訪ねて来るなんて珍しいな」
片頬をテーブルにつけて背中を丸めた姿勢で外を眺めていると、頭上から声が降ってきた。
ヅラの奴が冷たい麦茶でも持ってきたらしい。
カランと氷が涼やかな音を立てる。
「べっつにー。たまたま近くを歩いてたから、涼みに来ただけ」
顔は向けずに言葉を紡ぐ。
視線の先は、真っ青な空と入道雲。
「そうか。ここへは今朝になって移ってきたのだがな。よくわかったものだ」
「……甘いもンねーの？」
「水羊羹がある。長居していくついでに、零していっても構わんぞ」
わかっている、といわんばかりの言い草。
やめてくんない。
「そんなんじゃねーよ」
「一応な。おまえが心の内を見せないことは知ってる」
「だからそんなんじゃねーって…」
呆れつつ顔を上げれば、予想以上に真剣な目をした幼馴染の姿。
「何があった」
「なンもねぇ。…何もねぇんだ」
無意識に拳を握る。
この手から滑り落ちたわけではない。
だけど、不安が拭えない。





睨みつけるは、液晶画面。
指にかかったままの発信ボタン。
一方的に手渡された携帯電話を使う相手は、ただ一人。
登録されてる番号だって一件のみだ。
「(話すことは、ないんだけどなぁ…)」
着信だけでも残すか。
どうせあいつもたまにしか掛けてこねぇし、間違い電話だと思って流してくれんだろ。つか、そうしろ。
陽が傾きはじめ、かぶき町にも長い影が落ちる。
昼と変わらぬ雑踏に、行き交う人々の声が耳鳴りのように響く。
たまらない。
覚悟を決めて発信ボタンを押す。
変哲のないコール音が１回、２回、３回…
「よぉ、銀時ィ」
機械越しではない、艶めいた声が真後ろから届く。
「へ」
振り返ると、いつもの派手な着物を纏った男の姿。
「たかすぎ」
「てめーん家に寄ろうかと連絡入れようとしたんだが…手間が省けたな」
ククと面白そうな笑みを浮かべて、懐から己の携帯を取り出した。
「っ！」
それはまだ着信し続けていて、慌てて手元の電話を切った。
「あー…これは、その……」
「滅多にねぇ誘いだからなぁ。今日はてめーの我が儘に付き合ってやるよ」
やさしい手つきで頭を撫でられ、肩を抱き寄せられる。
やめろ。うっかり視界が滲みそうになるじゃねーか。
「何だよ。その上から目線」

安心したと伝える代わりに、そっとその背を抱き返した。









--------------------------------------------------------------------------------------

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------



【銀魂桜祭り2011(仮)_公演内容】



会場内はステージ(土俵部分)を中心に、
正面・東・西・後ろ、と四方が観客席になっています。
ステージ上にスクリーン(四方向)があり、さらにその上に満員御礼の札が垂れ下がってました。
座席は東側１階の枡席で鑑賞。
昼と夜とでひとつだけ左へずれた枡席だったので、ほぼ同じ場所で観ました。
歓声など、夜の方がより盛り上がり度がスゴかったです。






※「昼の部」「夜の部」とも内容は同じです。
※進行の順番が前後・欠落してる箇所がきっとあります。




■CM
放映再開前に流れてた番組告知やDVDの宣伝など、
開場してから開演までの間、15分おきくらいに突然流れ出した。




■真選組による開演前の注意事項
スクリーンに映像が流れる。
土方と沖田のやりとりで「携帯はマナーモード」などの注意を促す。
(…近藤はいなかった？)
最後が「国技館ではミントン禁止」でミントンしてる山崎。
土方「山崎ィィィ！！！」




■開演カウントダウン
10、9、8、７…とスクリーンに映し出される。




■銀魂名物BGオンリー
万事屋３人のグダグダトークからスタート！
「予算カツカツなんだよ」などと、銀さんと神楽が内情を暴露でいつものようにやる気なさげ。
諌める新八に「おまえプロデュースで進行しろ」と銀さんが無茶振り。
「いいですよ。やりますよ！ただし僕が言った通りに動いてくださいね！」
ヤケになった新八が、その勢いのまま曲紹介。




■ピコ「桜音」
スクリーンがBGオンリーの間に、ステージ上でスタンバってました。
昼の部では「動物系キャラでは、パンデモニウムさんが好きです」とコメント。
夜の部では「寿限無寿限無… 」なあの猿の名前を唱え出し、
「…池乃めだかの方……あ。
　バルムンク＝フェザリオンとアイザック＝シュナイダー忘れてた！」と最後は以下略ビチグソ丸。
よくそこまで覚えてきたと思う。



…ここで万事屋３人のサンウドオンリーのトークが入ったような、ないような。
新八があっさりいつものテンションに戻ってたはず。
「よりぬき銀魂さんのEDを歌ってくれたピコさんでした」




■万事屋＋桂　登場
ステージ脇の四隅にマイクが用意され、新訳紅桜篇の名場面を演じる。(映像なし)
正面から見て、手前右：阪口さん、手前左：石田さん、奥右：杉田さん、奥左：釘宮さん。
共闘シーンの「高杉ィィ！！」のあたりでバクチ・ダンサーが流れ出し、
「てめぇをぶった斬る！！」のあと４人が登壇。涼しげな浴衣姿。

出演者挨拶。および80万人を動員した劇場版大ヒット御礼の挨拶。
阪口さんが手にしたミニくす玉を杉田さんが割るが、昼の部は失敗。
ヒモだけ取れて手で割ってた。




■真選組　登場
曇天の曲とともに千葉さん、鈴村さん、太田さんがフォーマルなタキシード姿で登壇。(３人とも白を基調)
中井さんだけパネル写真(黒タキシード)で登場。裏面は土方。
14時開始の昼の部に間に合わないのは納得も、夜の部もまったく同じ演出。

中井さんパネルがイジられつつ出演者挨拶。
２日前に台本を書き換える重大なことが起きたと、鈴村さんの結婚についてふれる。
「結婚おめでとう！」と会場のみんなでお祝い。




■2.4時間マラソン　スタート
そのままステージ上で次の進行。
(正面から見て、左に真選組、右に万事屋＋桂で一列)
桜祭りだけど夏祭りなんだよ、ひまわり祭りとかどう？ゴロ悪いよ、なトークの流れで
「夏といえば何を連想する？」
新郎の鈴村さんは、昼と夜とも「ナンパ」だと言い切りました。
オチが石田さんで「24時間…マラソン？」


中継が繋がり、立木さんが登場。(スクリーン越し)
当日は雨なのに、快晴の都庁前。
夜でも太陽がサンサンの都庁前の合成映像。

都庁前から国技館までの2.4時間マラソン開催の発表。
ランナーはお通ちゃん。
高橋さんとスターターのくじらさんも登場して、マラソンスタート。

立木さんとくじらさんは浴衣姿で、高橋さんはお通ちゃん衣装。




■カウントダウン銀魂
「次は俺たち真選組が仕切るんだ！」
「仕切るためにここは一旦はけますから」
ステージを降りていく真選組の面々＋中井さんパネル。

スクリーンにCDTV仕様の万事屋室内が映し出され、
同じくCDTV仕様の近藤・土方・山崎・沖田が登場。
カウントダウンしない感じにアーティスト紹介→曲披露。




■Prague「バランスドール」
「Light Infection」時の崩壊したオープニング絵が忘れられないとのこと。
(人気投票篇の２回目)




■2.4時間マラソン　中継その１
スクリーンにCDTV仕様の神楽・銀時・新八(帽子付き)が登場。
万事屋３人の仕切りに交代。
曲の前にマラソン中継を呼ぶも、画面に映るのは立木さんとくじらさん。
新八「お通ちゃんを映せー！！」
現在地は浅草。

中継模様は、夜の部になると悪ふざけ度がアップ。




■FLiP 「カートニアゴ」
会場全体で曲タイトルコール。
「カート」「ニアゴ！」とネコ耳のように頭に手を添えてポーズ。


このあたりでスクリーンにヅラも登場。




■高橋瞳「ウォーアイニー」
バレンタイン話がこの曲と通ずるところがある。のコメントに、
ヅラ「チョコレート屋の前でずっとスタンバってました」
銀時「おまえどれだけ出番ほしいんだよ！ウゼーよ！！」




■2.4時間マラソン　中継その２
現在地は東京スカイツリー。と見せかけて、エッフェル塔。
立木さんに記念写真を撮ってもらう２人。
新八「どこを間違えればフランスへ行けるんですかね……」
銀時「銀さんもうわけわかんな〜い」


真選組が再び仕切り直しに登場。
乱闘騒ぎになり、ヅラの爆弾オチ。




■生アフレコ
出演者が正面アリーナ席に座って登場。
万事屋、真選組、桂。さらには、中継を投げ出したマダオの９人。
本物の中井さんもここでやってきた。
「レッツパーリー！！」言ったのは夜の部だけだったか…。
真選組４人はアロハシャツに衣装替え。


ステージ上に移動して、
夏らしい話からよりぬいたシーンの生アフレコ。

カブト狩りとか、竜宮篇とか、かもしれない運転とか、無職とか、ウィルス・ミスとか…冬の話！
軌道修正で真選組のほろり良い話。
ミツバ篇→動乱篇→「ムラムラします」→「スパーキング！」→「マヨネーズが足りないんだけどぉぉ！！」
万事屋も絆を見せつけてやると、カニの話。
カニを取り合ういやしい話。
最後は、将軍が床屋にやって来たゴールデンレトリバーのシーンで終わり。
グダグダです。




■2.4時間マラソン　ゴール
アフレコ終了後、バンダナを巻いてトッシーに変化した中井さん。
お通ちゃんを迎えに会場内ドアの外へ。
親衛隊の法被を着た阪口さんが中継を呼ぶと、
武道館にゴールしたお通ちゃんとくじらさん。(ありがち)
「そこは徳光さんのゴールだから！」
一瞬にして背景が国技館へとチェンジ。

全身トッシー衣装に着替えた中井さんが出迎え、
会場内へ入ってくるお通ちゃん。
ゴールシーンは動きがスローモーションとなり、ヅラの感動ナレーションが入る。
グッードメモリアルッ！とか言ってた。
新八「お通ちゃん！俺の胸に飛び込んで来い！」

しっかりとエリザベスに抱きついてました。




■お通ちゃんライブ
セットリストが昼と夜とで変化。
１曲目が違った…３曲目は同じだったかあやしい。

【昼の部】
お前のバァちゃんお前のバッシュ履いてた
放送コードがなんぼのもんじゃい
お前の父ちゃんチョメチョメ

【夜の部】
おまえの母ちゃん××だ！
放送コードがなんぼのもんじゃい
お前の父ちゃんチョメチョメ


「放送コードがなんぼのもんじゃい」の部分はみんなで振り付け。
昼の部では、正面・西・東・後ろの席に分けて１回ずつ練習。
夜の部では、全体で１回の練習に割愛。




■2.4時間マラソン　セットネタバレ
スクリーンに舞台裏からの中継が映し出される。
万事屋３人が、クロマキーについて解説。
セットの青い部分に色んな映像をのせつつ、
身体に青布を巻いて電波少年的に遊ぶ杉田さん。釘宮さんは控えめ。
浴衣の柄が青と白の市松模様なため、阪口さんは半透明人間に。
立木さんとくじらさんを迎えてトーク。
…するも後ろで変顔する杉田さん。(夜の部)




■serial TV drama「桃源郷エイリアン」
昼の部では、ボーカルの人が曲の途中でステージから落ちました。
大事には至らなかった模様。




■四天王篇　生アフレコ
ステージ脇にマイクが２つ用意され、
正面から見て、手前右に次郎長のような着物姿の菅生さん、手前左に浴衣姿の野中さんが登場。
それぞれの役のモノローグシーンを演じる。(映像なし)
そのあとステージ上に、万事屋３人・お登勢・次郎長・平子が揃い、
四天王篇の名場面を演じる。(部分的に映像なし)

墓場での次郎長とお登勢の会話
次郎長VS銀時
万事屋の絆
約束の決着
父と娘のラストシーン


終了後、水を打ったように静まり返った会場内に鳴り響く拍手。
誰もが魅入ってた。

個人的に四天王篇でいちばん印象深いシーンは、
銀さんに詰め寄った新八が必死に訴えかけるところです。
「僕らは死なない！あんたは死なない！！」
気迫に満ちた演技を２度も観れるとは…泣きそうになった。




■SPYAIR「サムライハート(Some Like It Hot!!)」
感動の余韻のまま、「Hey！Hey！サムライハート!!」の大合唱。




■終わりの挨拶
すべての出演者が登壇し、一言ずつ挨拶。
菅生さんは次郎長風に渋く決めてました。
…昼はうっかり噛んでたけれど。ご愛嬌。




■アニメ銀魂PV
これからの放送予定の話を一挙公開！

エヅラ子は見た
プリズンブレイク
葬儀
携帯電話
あと……何だっけ？

そして長編は、“蓮逢篇”！
アニメでは大河にもJINにも間に合わなかった坂本が出た！喋った！！
すみません。高杉も仲間に入れてあげてください。(何度でも言う)




■空知先生からのお手紙
釘宮さんが代読。
24時間テレビに思いっきり引っ掛けてました。愛は銀魂を救う。
その他、変わらずの空知節に会場内大爆笑。
「最後はみんなでサライの大合唱を…」の一文で流れた曲は、

３・２・１…ワンピース！！


素直にサライでサクラ吹雪なわけがなかった。




■サプライズゲスト
Tommy heavenly6「Pray」
昼の部では、大玉風船が観客席に投げられて割れた中から大量の風船が舞ってた。
夜の部では、小さな８の字型の風船…飾りが舞い落ちてきた。




■終演
アーティスト、出演者がステージ上で二重に円を作って一礼。
EDは風船ガム。
スクリーンにスタッフロールが流れ、
最後に「暑っちい中、来てくれてサンキューな！」(うろ覚え)の筆文字。
…残念ながら暑くはなかったね。


蛍の光のBGMで閉場。






-----------------------------------------------------------------------------------------------------------